難聴について

難聴など鼻や耳に関する情報

ダウン症児では耳鼻科的合併症が多くみられます。
難聴を合併する率も高く、言葉の発達などへの影響も考えられます。
治療できることも多いので早期に発見、診断して適切な治療を受けましょう。
また、アデノイド肥大に伴う睡眠時無呼吸をきたす児のみられることも最近報告されています。
ダウン症児の難聴について 難聴の頻度  難聴の原因 難聴の兆候 聴力検査について
難聴が発見されたら 言葉の発達への影響
聴力のスクーリング ダウン症の聴覚系の特徴 聴力について

どのくらいの頻度でみられますか?
ダウン症児の難聴の頻度は調査の方法や対象によって異なりますが、40〜100%と報告されています。
家庭で育っている小児期のダウン症児を対象とした最近の調査では大体50〜70%ぐらいです。
難聴には、外耳や中耳に原因のある伝音性難聴と内耳や聴神経に原因のある感音性難聴があります。
両方の原因の混じっている場合は混合性難聴といいます。
伝音性難聴に比べると感音性難聴の方が難聴の程度は高度となります。
ダウン症児では、伝音性難聴の割合が多く、乳幼児では大部分が伝音性難聴です。
年齢が進むにつれて感音性難聴の割合が高くなります。
難聴の程度は、ほとんど中等度以下です。また、片耳のみの聴力低下を認める児も多く認められます。
どのような原因でなるのですか?
伝音性難聴の原因として最も多いのは、浸出性中耳炎です。
乳幼児期のダウン症児の難聴の原因の多数を占めます。
中耳に浸出液が貯まり鼓膜の動きが悪くなります。
感染性の中耳炎の不十分な治療の後におこしやすく、ダウン症児では耳管の機能の悪いことも原因とされています。
難聴の程度としては軽度から中等度程度のものが多いですが、一般の小児の浸出性中耳炎と比べて難治なことが多いので注意が必要です。
軽度の難聴の原因としては、耳垢が詰まって外耳道を塞いでしまうこと(耳垢塞栓)も多くみられます。他に、伝音性難聴の原因としては、先天的な耳小骨の異常や中耳炎後の後遺症などがあります。
感音性難聴の原因としては、加齢に伴う内耳の骨化や蝿牛や聴覚神経系の構造的異常などがあります。
(このページのTOPへ)
どのような症状があれば疑うのですか?
乳児は月齢とともに音に対する種々の反応を獲得していきます。
通常認められる反応が十分にみられないときには難聴を疑います。
聴覚発達のチェック項目が作られています。
保健所などの定期検診でも用いられていますので参考にして下さい。

1〜2か月時には太きな音にビクッとして反応します。
2〜3か月ではあやすと喜びます。
4〜5か月になると呼びかけると顔を向けるようになります。
6〜7か月ではテレビの音などに反応して振り向くようになります。
8か月を過ぎるといろんな音に興味を示しすようになり、音の方向を速やかに向くようになります。
言語の理解も進んできます。
また、5か月以降では時計の秒針のコチコチする音を耳もとに近づけて反応を見ることも役に立ちます。
 しかし、ダウン症児には難聴のリスクが高いので、例えチェック項目に異常が無くても何らかの聴力検査を受ける方がよいと考えられます。
(このページのTOPへ)
聴力の検査はどのようにするのですか?
聴力の検査は、純音オージオメーターによる方法が標準的です。
しかし、年少児や十分に協力できない児では、行動を観察したり、脳波を使った方法(聴性脳幹反応、ABR)を用います。
音に対する反応は乳児期に段階的に発達します。
児の発達に見合った音に対する反応を獲得しているかを観察することで難聴の早期発見につながります。
専門施設では月齢に合わせて種々の幼児聴力検査を行なうことができます。
聴性脳幹反応(ABR)は薬物(簡単な睡眠薬)により睡眠状態で音に対する微小な脳波の反応を記録して聴力や神経機能を調べることができます。
ダウン症児では聴力スクリーニング方法としては大変有用です。
ABRを使った聴力スクリーニングにおいても50〜60%のダウン症の子どもで聴力低下を認めています。ABRでは聴力以外にも脳幹の神経の発達や異常を評価できます。
ダウン症児のABRでは、難聴児が多いこと以外にいくつかの特徴が高率に認められます。
注意しなければならないのは、ダウン症児のような染色体異常症の患児のABRでは高度の異常(正常な反応の波形が全く出ない)でも繰り返して経過をみると改善する児を認めることです。
ABRの異常が必ずしも聴力と一致しないこともありますので、他の聴力検査や行動観察結果合わせて判断しましょう。
(このページのTOPへ)
難聴が発見されたらどうしたらよいのでしょうか?
原因の治療が可能な場合には早急に治療します。
乳幼児期の難聴は言語の発達などに影響することが考えられます。
放置しないようにしましょう。
耳垢が詰まっている場合には耳鼻科で耳垢を柔らかくした後に除去してもらいます。
家庭で無理やり取ろうとすると外耳を傷つけることもありますのでかかりつけの耳鼻科で除去らった方がよいです。
また、定期的に耳垢をとってもらって下さい。浸出性中耳炎は、薬物治療と耳管の通気を行ないます。
難治な場合には排液のためのチューブの留置を行ないます。
ダウン症児では難治なことが多いのでチューブの留置を行なう必要な割合が高いです。
ダウン症児では免疫力が弱く上気道感染を繰り返しやすいことが浸出性中耳炎の原因ともなります。
風邪をひいたときには中耳炎の合併にも注意して十分な治療を受けるようにしましょう。
扁桃肥大があって中耳炎を繰り返すときには扁桃摘出術を行ないます。
いずれにしても、早期に発見して十分な治療を受けて慢性化させないことが重要です。
 中等度以上の難聴がみられる場合には、補聴器を装着します。
特に高度の感音性難聴があり治療できない場合には補聴器の調整が必要です。
年齢の小さいときには嫌がることも多いですが、専門の耳鼻科医と相談して上手に調整してもらって下さい。
(このページのTOPへ)
言葉の発達と関係しますか?
中等度以上の難聴は言語発達に影響します。
片耳のみの聴力低下では原則として言語発達には影響しませんが、音源定位反応など(音がどの方向から聞こえているか判断すること)に影響する可能性があります。
また難聴の原因によってはたまたま片耳であったものが、両耳に影響してくることもありますので、しっかりと経過をみていく必要があります。
(このページのTOPへ)
聴力のスクーリングについて
ダウン症児では難聴をきたす原因が多いにも関わらず、音への反応がわかりにくかったり言語発達の遅れがもともと認められることから、難聴の発見が遅れる傾向があります。
一定の間隔で聴力検査を行った方が良いと考えられます。
生後1年以内にABRを用いた聴力の評価が勧められます。
このとき正常であっても中耳炎などの原因で聴力の低下をきたすことがあるので、発語が遅い、呼びかけに反応が悪い、中耳炎等に罹患したなどのときには年齢に応じた聴力検査をうけましょう。
小学校入学前にはオージオメーターを利用した聴力検査が可能と思われます。
最近、厚生省が自動聴性脳幹反応(AABR)を使って新生児全員の聴力スクリーニングを計画しています。
実施されるようになれば、先天性の聴力障害の大部分はスクリーニングされると考えられます。
ダウン症でも先天的な原因で難聴をきたしている場合にはこの方法で発見されます。
しかし、ダウン症では後天的な原因の聴力低下も多いので、経時的な検査が必要です。
(このページのTOPへ)
ダウン症児にみられる聴覚系の特徴
ダウン症児の息児では聴覚系の構造にいくつかの特徴的変化がみられます。
外耳(いわゆる耳)の耳介が小さいのは一般的にみられますが、外耳道(耳の穴)も狭くなっていることが多いよです。
そのため耳垢が詰まりやすく、除去しにくいことが多くあります。
中耳にある耳小骨に先天的な異常がみられることもあります。
また、中耳と鼻腔をつなぐ耳管が狭くなったり、機能が悪かったりするため、浸出性中耳炎の原因となります。
内耳も構造的に先天的異常があるとともに加齢に伴い石灰化などの変化が進むことが年長児の難聴の原因にもなっています。
(このページのTOPへ)
聴力について
聴力は数種類の周波数の純音を聞かせて、それぞれの周波数の音で聞こえる最も小さい音の強さを正常者の平均と比較してデシベル(dB)という単位で表したものです。
通常15dB以内は正常、30dB以内は軽度難聴、60dB以内は中等度難聴、90dB以内は高度難聴、90dB以上を「ろう」とします。
乳児期はもともと聴覚閲値は高いので30−40dBは正常範囲です。
乳幼児等の協力を得られない児では特殊な方法を使って聴力を測定します。
(このページのTOPへ)

*参考文献 ダウン症健康フォローアップ手帳

HP利用上の注意


本HPはInternetExplorer7.0にて動作確認を致しております。
800×600 DOT以上 フォント小で最適化されています。

このHPのコンテンツを利用して得られた収益金は、
きくまっしシステムHPの運営費の一部に充当させて頂いております。

きくまっしロゴ

Copyright きくまっしシステム委員会,2003-2011

HP更新情報

2011年1月
HPをリニューアルしました
2009年10月
6周年記念プログラムをアップ
2008年4月
岩本綾さんの新刊が発売
2005年10月
リンク追加 ラブジャンクス
2005年3月
リンク追加  KDSN(神奈川県ダウン症ネットワーク)
2005年1月
リンク追加なかよし家さん(福井) 岩元綾さん(鹿児島)
本・ビデオの紹介からインターネットで購入出来るようになりました。(Amazonとのリンク)
 

協力のお願い

きくまっしシステムではイベントでのボランティアや、活動に賛同いただける方を募集しています
ボランティア募集について

ご意見・ご感想は

このホームページに関するご意見・ご感想は編集者まで

問い合わせメール